コミュニケーションを取ろうとする
人は、何かしらの関わりが無いと生きられないそうです。人は常に何かのコミュニケーションを取ろうとします。交流分析で言う「ストローク」に相当するものでしょう。果たして、人間関係においては、その質が問われます。すなわち、質の善いストロークか悪いそれか。ハラスメントにおいて、ハラッサーかせ出すストロークがが「嫌がらせ」なのでしょう。
そして、人からのストロークを受け取ることでコミュニケーションがはじまります。受け手が、受け取ったストロークに対してどのような意味づけをするかがポイントとなります。そのストロークを善い意味づけにすれば、善い経験をしたと思えます。悪い後味が残れば苦い思いとなるでしょう。
ハラッサーとの関わりでは、後者のことが多くあることが予測できます。そのような人とのかかわりでは、出できた言葉や態度、仕草のストロークを受け流す技術を身につけるのが最も効果があるのです。
NLPを学ぶ初期コースであるプラクティショナー・コースで、「NLPの前提」のうちの一つに「コミュニケーションの意味は反応です」とあります。このことは人と人がどのように関わり合うかを観察すると分かるでしょう。あなたがある人から発した言葉や振る舞いに対して、喜んだり楽しんだり恨めしく想ったり怒りを感じたりしたことはありませんでしょうか?そう、感情を動かされたことです。これこそが「反応」なのです。そう、反応するのは感情なのですね。
では、どのように反応するか?
それは、「反応しない」です。
もっと正確に言えば、「自分の感情を落ち着かせ、今起こっている状況を冷静に受け止め、次の行動としてそれを流すか、フィードバックとして自分のリソースにするか選ぶ」のです。
「感情を揺さぶられているんだから、揺さぶる方が悪い!」と言う意見もあるでしょう。たしかに、揺さぶって来るハラッサーには罪はあるでしょう。しかし、その人には、自分自身の感情をコントロールすることは出来ないのです。そう、自分の感情をコントロール出来るのは、自分自身なのです。それが自分の課題でもあるのです。この考え方の基はアドラー心理学の「課題の分離」です。「自分の課題と他者の課題を切り分けて考える」のです。
そして、悲しみや怒りは、何か元となるものがあってから感情として分かります。元となることは、過去の経験から何かに結びつけた考えや別の感情であることが多いです。さらに、起きたことすべてには意味はないのです。過去の経験から自分が、悲しみや怒りと言う意味を付与して自分自身を揺さぶっているのです。揺さぶられていると言う受け身ではないことに注意してください。
では、具体的にどのようにするのか?
- 相手をよく観察(キャリブレーション)する。
- 相手が話していることは、その人の頭の中での再構築して創っている現実と心得る。
- 相手が言っている物ごとの中で、フィードバックとして自分のリソースになるであろうことを探してみる。
- 忘れる。引きずらない。
第一に「相手をよく観察(キャリブレーション)する」です。これはとにかく相手を観察します。恐怖に怯えている場合ではありません。相手が暴力的手段を起す前に逃げなくてはなりませんから(笑)。それもありますが、相手の顔色が赤くなるか青くなるか、顔の表情でどこの表情筋が動いているかなど。特に眼球の動きを観察します。左斜め上を見ているか右斜め上を見ているか。あるいは左斜め下か。この眼鏡の動きは視線解析(アイ・アクセシンング・キュー Eye Accessing Que)と言います。このスキルはNLP初期コースであるプラクティショナー・コースで学びます。それは眼球の動きでその人が何を考えているかおおよそのことが分かります。相手が昔のことをを考えているのか、創造的なことを考えいるのか?と考えるだけでもこころに余裕を持てるかも知れません。
次に人の言動・思考は、その人の頭の中で、その人の五感(視覚・嗅覚・触覚・聴覚・味覚)を通して経験したことや学習したことを様々な断片として保存しています。それら記憶をから掻き集め、再度描き直し、再構築しているのです。それを再表象Representationと言い、その人の現実となるのです。すなわち、現実は人により異なるのです。そして、現実が違うことを心得た人は「課題の分離」を心得たことになるのでしょう。
三つ目は、いくらハラッサーの言うことでも、自分にとって何かしら身になるものがあるかも知れません。
最後は、このことが一番肝要であると思います。ハラッサーに責められて自分はできない人間だ、ダメなんだ、なんて思ってしまったら相手の思うツボです。相手はそのように思わせたくて攻撃してくるのです。自分のふるまいで何か思うところかあれば、三つ目のフィードバックとして受け止め、自分の人格を否定することは無く、引きずらず肯定的に時間を過ごすことに焦点を当てる方が、あとあとうまくいくことの方が多いようです。
そんなこと言っても、出来るわけないよ!とお思いになることでしょう。これらは、スキルなのです。技術なのです。ということは、どんな人でもできるようになるということではないでしょうか。はじめは思うような結果が得られないかも知れませんが、何回か繰り返すことで出来るようになるのです。そして、これらのスキルはNLPのプラクティショナー・コースでしっかりと学ぶスキルです。これらを習得しますと、日常生活がまるで別世界になります。興味を持たれた方は〇〇へお問い合わせください。
最後に、これらはハラッサーへの対応ですが、そのハラッサーが暴力的であれば、別の対応をする必要があります。身の危険が差し迫ったら、我慢をせず、その場から離れるべきです。